押して良いの!? 押したら何が起きる?
クルマの運転席まわりには様々なスイッチが備え付けられていますが、中には「これって何?」と思ってしまうような“謎のスイッチ”が存在します。
ここではそのうちの一つをご紹介します。クルマが踊っているようなイラストが描かれたスイッチがありますが、これは一体何のためのものなのでしょうか。
この一見すると“クルマがダンスしている”ようなスイッチの正体は、簡単にいえば「車両の過度な挙動を抑える機能」をオフにするためのスイッチで、メーカー各社によって機能の名称は異なります。
つまり、旋回時や滑りやすい路面を走行する際の挙動を安定させてくれる機能になります。
トヨタであればVSC(ビークルスタビリティコントロール)、ホンダであればVSA(ビークルスタビリティアシスト)、日産ならVDC(ビークルダイナミクスコントロール)といった呼び方となっています。
そこでひとつ疑問となるのが、わざわざこの機能をOFFにするスイッチが存在する理由です。
安全に運転するための機能なので、通常のクルマの使用環境内であれば、基本的にOFFにすることはありませんし、推奨されません。
しかし、雪道やぬかるんだ泥道にはまってタイヤが動かなくなったような状況では、この安全機能がエンジンパワーやタイヤの動きを極端に制御してしまい、上手く路面にパワーを伝えられなくなることが発生します。
そのような限られた場面においては、この機能をOFFにすることで脱出しやすくなるのです。
とはいえ、VSCやVSAはクルマの過度な挙動を抑え安全に運転するために役立つ機能なので、普段の運転においてあえてOFFにするシチュエーションは滅多に無いといえます。
雪道やぬかるんだ泥道でタイヤが動かなくなるなど、特定のシチュエーション以外ではOFFにしないように気をつけましょう。